418 『ドロレス・クレイボーン』 スティーヴン・キング

  • 2017.12.11 Monday
  • 16:03

 要介護老人のヴェラ・ドノヴァンが死亡し、彼女の介護人だったドロレス・クレイボーンが殺人容疑で取り調べを受けた。その取調室で、ドロレス・クレイボーンは自分の意志で、長い長い話を語り始める。

 

 気難しく性悪な主人ヴェラとの格闘のような日々。その悪夢のような日々を語りながら、ドロレスは、次第に、自分の心の中にしまい込んでいた30年前の出来事へと話を近づけていく。

 

 ドロレスの悲惨な家庭環境。30年前に起きた皆既日食。その悪夢のような風景の中に隠しこまれた秘密。

 

 女主人ヴェラのことを散々悪く言いながらも、ドロレスのその口調には、ヴェラへの愛情が感じられ、強い絆で結ばれた者同士という印象を受ける。そして、それは、最後の最後になって、なるほどそれでだったのかと納得させられるのだ。

 

 女たちが舐めた悲惨。そして、それから逃れようと子どもたちのためにとやったことが、自分と子どもの間に決定的な溝を作ってしまうという不幸。

 

「「ときには性悪にならなければ、生きていけないことだってあるのよ」といったよ。「女というものは、ときには性悪になるしか、しかたがない時だってあるの」」

 

 ヴェラの言葉の重さ。辛さ。

 そうやって性悪な女のふりをして、性悪で通して、それでも心の中の闇に押しつぶされそうになり悪夢に脅かされ続ける女たちの辛さ、哀しさ。

 

ドロレス・クレイボーン 

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